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漆喰の壁 北欧の注文住宅なら群馬(前橋 高崎)の工務店-コムハウス

スタッフ

前橋

みなかみ町月夜野で新築工事が始まります。

上毛高原駅の近くです。

こちらのお宅では内壁にスペイン漆喰を使います。

展示場をご覧いただき漆喰に惚れ込んでいただきました。

内壁材で良く耳にするものに珪藻土が有ります。

しかし、私は珪藻土より漆喰を好みます。

20年前にリフォームした自宅の居間も漆喰塗です。

今も現役で弊社の左官工事をしているT左官さんに

塗って貰いましたが今でも飽きが来ません。

なぜ漆喰が好きなのか? 

だいぶ以前に紹介したと思いますがまた書きたいと思います。

珪藻土好きの方には聞きにくいと思いますが、珪藻土の不安点を書いてみます。

珪藻土には固まる性質が有りませんですから左官するためには、

珪藻土を固化させるために何らかの固化材を混ぜる必要があります。

石膏、漆喰、セメントに珪藻土を混ぜて用いることもできます。

これらの材料は、それ自身にも吸放湿性能があるので、

珪藻土の吸放湿性質を大きく損ねるということはないでしょう。

しかし市販の珪藻土建材のほとんどは合成樹脂を固化材に使っています。

合成樹脂には吸放湿機能が全くありません。

だから合成樹脂を加えることは珪藻土の吸放湿性質を阻害します。

そこで問題は、市販の珪藻土建材にはどのような固化材が

どの程度含まれているのかと言うことです。

しかしこれを明確に示しているメーカーはほとんどありません。

しかも驚くことに、珪藻土建材に珪藻土が何%入っているかを

示しているメーカーもほとんどありません。

安全、健康が謳い文句の珪藻土建材は本当に安全なのでしょうか。

配合されている物が何なのか不明確なので正確なことは言えないのですが、

こんな事が注意カと思います。

混入されている合成樹脂自体の安全性は、その成分をメーカーが

明らかにしていない状態では何とも言えません。

樹脂については、次のようなことを予想するべきです。

1つは合成樹脂の経年変化による劣化の問題です。

紫外線をあびるなどによって合成樹脂は劣化し、もろくなってきます。

その結果、固まっていた樹脂自体が飛散するようになる可能性があります。

飛散すればその樹脂を吸い込むことになります。だから樹脂の安全性は重要です。

20年、30年先にいったいどうなるのか。

「合成樹脂が多い方が安心だ」などという意見の方は

合成樹脂の安全性と耐用年数がいったい何年なのか、

よく調べた方がいいでしょう。

もう1つ、合成樹脂自体は安全かもしれませんが、その場合でも

合成樹脂の劣化とともに、合成樹脂で固化してあった珪藻土がバラバラになって

飛散するということが起こる可能性があります。珪藻土が飛散したからといって

健康上大きな問題になることはたぶんないでしょうが、

ほこりっぽくなるでしょうから、塗り直しということになります。

安全性に関しては、含まれる薬剤、例えば防カビ材の問題もあります。

珪藻土自体は腐りはしないですが、湿気を吸うために建材にカビが生えることがありえます。

そこで珪藻土建材には防カビ材が配合されていることが多くあります。

それはどの程度安全なのか。

幼児なら壁を舐めることもありえますし、手で触っても安全なのか。

また薬剤が揮発することはないのか。

しかしこれらも、建材に含まれる成分が秘密では、確認しようがありません。

固化材に石灰(漆喰)やセメントを用いている場合には、

そのアルカリのおかげでカビは生えにくいので防カビ材を不要にできます。

またこれらは合成樹脂のように劣化することはありません。

固化材を何にするかは、こうした意味で重要なのです。

漆喰に良さについて。

漆喰は紀元前の建て物でも使われている建材です。

日本でもお城や土蔵で使われています。

漆喰の成分について検証してみます。

石灰岩や貝殻を焼成して出来る生石灰(きせっかい、せいせっかい)が原料になります。
成分は酸化カルシウム CaO です。

なお石灰岩からできたものを石灰(いしばい)、

貝殻からできたものを貝灰(かいばい)と言うそうです。

生石灰に水を加えると発熱膨張して消石灰 になります。

またこの現象を消化と呼びます。

生成された消石灰の成分は水酸化カルシウム Ca(OH)2です。

消石灰に水を加えて練り合わせ、壁に塗りつけると、

乾燥後に空気中の二酸化炭素と反応して、

もとの石灰石の成分である炭酸カルシウム CaCO3になります。

酸化カルシューム CaO                       生石灰

+水             H2O

水酸化カルシューム       Ca(OH)2            消石灰

+二酸化炭素                 CO2

炭酸カルシューム                  CaC03    漆喰(石灰岩、貝殻)

消石灰を水で練ったものは粘性に乏しいので、

作業性を向上させるためにこれに糊を加えたものが日本の漆喰(しっくい)です。

漆喰と石灰岩た貝殻は同じ成分なのです。

糊には伝統的には角又(つのまた)などが用いられます。

またスサと呼ばれる植物繊維を混ぜて補強もします。

漆喰は硬化とともに収縮するので、それを少なくするために川砂を用いることもあります。

スサや川砂・珪砂を混ぜるとテクスチャも変わってきます。

ヨーロッパの建築にも石灰が使われています、それは消石灰に川砂だけを

混ぜた石灰モルタルが一般的な漆喰に成ります。

この様に漆喰にはそれ自体が固まる性質が有りますので長期に

安定した壁材として古くから使われてきたのだと思います。

住宅は50年、100年、も見越して考えるものだと思いますので

漆喰は理想の壁仕上げ材だと思っていいます。

この様な理想の建材ですが、やはり欠点は有ります。

イニシャルコストがビニールクロスの3倍程度高くなってしまいます。

しかし、張替えが要らないと思えば長期ライフコスト的には同じか安いと思います。

また、ひび割れ等のゼロでは有りません。

この様な欠点も有りますが、古来からの安心できる建材に囲まれて

生活することでシックハウスなどを気にせずに暮らせるのでは無いでしょうか。

快適性能についてはまた後日に書きたいと思います。

永井

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